吉野朔実さんの『ぼくだけが知っている』
読んだことありますか?
大好きな漫画です。
すごく疲れている時や、気分が沈んでいる時に無性に読みたくなります。
なぜ疲れている時に読むのかというと、たった二言のセリフに励まされたいからです。
それは艶ちゃんこと、小学4年生の葛木艶子さんが言い放つこの言葉。
‘私はかっこつけて生きてるわよ
スタイルのない人生なんてクズよ’
艶ちゃん、かっこいい!!
と、毎回このシーンで興奮してしまいます。笑
なんだか自信を失っている時に励まされちゃうんですよね。
正直初めてこの漫画を手に取った時は、最初の数ページで(自意識過剰な子供の話かぁ。面倒臭そう。)と、思いました。
「子供の頃から大人だった」とか、「僕は 特別だった」とか、ちょっとウンザリしちゃうような言葉が最初に目に飛び込んで来るんですね。
でもその後に続く、「少なくとも 小学校4年生の春までは」という言葉で、興味が沸いてくる。
そんな始まりです。
主人公は、夏目礼智。
顔はかわいいけど大人しくて成績は悪い。
雷や地震や台風が好きな男の子です。
子供の頃って、ほんの4~5歳の頃でも、意外といっちょ前に大人のつもりでいたりしますよね。
そしてそんな自分は特別だと思っていたりする。
大人や周りの子供達は、自分がこんなことを考えているなんて思わないだろうな。とか想像して悦に入ったり。
皆がそうではないと思いますが、少なくとも私はそんな子供でした(;'∀')
でもそれはおそらく、他人のことを知らないからこその思い込みだったりします。
自分以外の人間が何を考えていて、どんなことを知っているのか?
自分のことしか知らないから、「自分が特別」なんですよね。
誰しも「特別」な存在といえば、それはそうなんですけれども。
ただ、誰もが特別なのと自分だけが特別なのは違いますよね。
これは、自分だけの世界で完結していた主人公のらいちが、個性豊かなクラスメイトに出会い交流を深めていくことで、その世界を広げていく物語だと思います。
小学生の頃に誰しも体験したようなワクワクするエピソードや切ない気持ち、こんな子いたなぁとか、懐かしんだり共感したりしながらスイスイ読み進められます。
主人公のらいちを始め、艶ちゃんに今林くんに、ハジメに珠ちゃんに、キャラクターも大変魅力的です。
あとは何といってもらいちのお母さんが素敵!
こんな素敵な大人の女性になりたいものです。
漫画ってやっぱりキャラクターの魅力が大事ですよね。
小学4年生のお話でありながら、大人になった自分も投影できるような面白い漫画です。
疲れた大人にこそおススメしたい漫画ですね。
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